「仙台キリスト教連合被災支援ネットワーク」発足にあたって

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主イエス・キリストの平和がありますように。

仙台圏を中心にしたカトリックとプロテスタント諸教会からなる「仙台キリスト教連合」は、東北地方太平洋沿岸を襲った未曾有の大地震と津波による 被災者及び被災地域のための活動を、教会を通して支援していくために「仙台キリスト教連合被災支援ネットワーク」を発足させました。

今後、東北地方にある諸教会の教派教団を超えた協力により、情報のネットワークを構築し、より有効な支援体制に資することができればと願っています。さらに、主として沿岸部の被災教会や被災者のための献金も募ります。

長期にわたるであろう支援活動を通して、国内外のキリスト教諸教会や団体、東北にある教会同士、そして教会と地域とのネットワークが生み出され、東北の諸教会が真の復興を遂げて行くことを心より願っています。

主の2011年3月24日 仙台キリスト教連合代表世話人 吉田 隆

▼「東北ヘルプ」設立一周年にあたって

"あの日"から一年が経とうとしています。

この一年間、私たちは毎月11日を迎える度に「あれから何カ月」というふうに数えてきました。

しかし、今年の3月11日を境に「あれから何年」というふうに数えるようになるのでしょうか・・・。

仙台キリスト教連合被災支援ネットワーク(東北ヘルプ)は、あの混乱の一週間の中で設立されました。

以来、右も左もわからぬまま、無我夢中で被災支援活動に取り組んでまいりました。

当初二ヵ月程でその使命を終えるはずだった働きが、曲がりなりにも今日まで続いてまいりましたのは、
ひとえに主の憐みと皆様方の熱いお祈り、そして尊い御支援によるものです。

改めて心よりの感謝を申し上げます。

私たちは、三重の被災をした方々及び被災地域のための活動を、教派教団を超えた協力により、東北地方にある諸教会を通して支援していくために労してまいりました。

初期の緊急支援活動の3本柱として定めた情報や物資のネットワークの構築・教会を通しての地域支援・ 被災教会や信徒のための募金はそれぞれ豊かな実を結び、とりわけ7000万円を超えた国内外からの義捐金を
被災諸教会にお届けできたことは大きな喜びであり感謝でした。

9月からは事務局を法人化して、直接支援にあたる団体や教会のネットワークを後方支援する体制を整え、
外国からの献金の受け皿も作りました。

こうして展開されてきたプロジェクトが、複数の仮設住宅における支援活動・「心の相談室」や弔いによる
スピリチュアルケア・食品放射能計測所開設・外国人被災者支援などの活動です(現在もいくつかを計画中)。

良いスタッフに恵まれ、国内外の様々な教会や団体、何より東北の諸教会の皆様と共に働くことができる喜びをかみしめています。

他方、この種の働きには、少なからぬ困難や試みがあることも事実です。その意味でも、私共の働きは、祈ることなしには成り立ちません。

主の御守りと導きの中で、許されて為す働きなのだとつくづく思わされます。

忘れてはいけないことは、愛する御家族を失った方々にとって、時間は"あの日"で止まったままだということ。

そして、放射能被害にさらされ続けている方々にとって、"あの日"は未だ現在進行形だということです。

私たちは、このあまりのギャップにとまどうばかりです。

しかし、このことこそが、私たちがこれからも働き続けなければならない理由なのだと思います。

どうぞ今後とも皆様のお祈りのうちにお覚えいただければ幸いです。

そうして、未だに苦しみの中を生きている方々のために、何らかのお役に立てればと心より願っております。

皆様の上に神様の豊かな祝福と平安を祈りつつ。

主の2012年1月27日

仙台キリスト教連合被災支援ネットワーク(東北ヘルプ)
代表 吉田隆